視点と視野、視座の違い -ビジネスにも応用できる大切なこと-

みなさん、この3つの言葉の違いを説明できるでしょうか?
似ていますが、それぞれが全く別のことを示しています。
どうしてこれらの言葉を取り上げるのかというとですね、ビジネスや自分自身との対話など、物事の深い理解にとても役立つからなんです。
視点・視野・視座の重要性
どれも似た文字を使っているので、近い言葉ではあるんです。
どれも眼からの視覚に関することですね。しかし今回は、思考法という観点で説明していきたいと思います!
さまざまな物事をみる時、私たちは基本的に私たち一人の主観を通してみています。
つまり、言うなれば視点=私一人(一つ)ですね。
「多角的にものごとはみましょう。」
そんな言葉をよく耳にするかたはいらっしゃると思います。
これは「自分ひとりの視点ではなくて、他の方の視点にたったと仮定してみてみましょう」
と言い換えることができますね。
実際、物理的に視点を取り換えることはできないですが、そのような「想像力」をもってみてましょう、ということです。
では視野と視座は?どう違うの?
これらの疑問に私なりの意見も踏まえて、回答していきます。
視点 ーどの場所からみるか
視点はさきほどのように、どの場所からみるかということです。
例えば以下のようなイメージをもってみましょう。
3つの柱のうえに、私たちは立っています。
真ん中には地球儀が置いてあって、それぞれの「視点」からみています。

するとどうでしょう。視点1からはほとんど海しかみえませんし、視点2からはユーラシア大陸、視点3からは北極付近しかみえていないことになります。
1つの視点からだと気づけないこと、知り得ないことを知るにはこのように多くの視点をもつことが大事になります。
「相手の身になって」
「お客さまの視点で」
という言葉は、この視点の切り替えについてのお話しだと理解しています。
私たちが提供するサービスや商品は、私たちが売り出しているのですから、信じているし良いものだと疑っていません。
しかしお客様からしたらどうでしょう?まだ何も知らない商品に手を伸ばすでしょうか?
そのようなお客様が商品購入に至るまでの壁を突破する際にも、お客様の視点を想像してみましょう。
こうすることで、自分よがりではなく、お客様に寄り添った提案やセールスができるようになります。
視野 ーどれくらいの広さをみるか
視野はいわば、どれくらいの広さ、範囲をみるかということです。画像をみてみましょう。

視野1が「広い視野」、視野2が「狭い視野」になっています。
みている対象にもよりすが、視野が狭いと、今回の場合は水の部分だけが目に入っており、地面の部分を見逃してしまいます。
見張りのように考えてもいいと思います。狭い範囲しかみえていないと、悪い奴を見逃してしまいます。広い視野を持つことは、こういった見逃しを起こさないために重要になります。
視座 ーどの高さからみるか
最後は「視座」です。3つの言葉の中では、あまり聞かないものだと思います。
視座というものはいわば、どれくらい高い位置でみるか、ということです。画像を見てみましょう。

同じ位置からみても、視座=高さが違うとみえるものは異なります。これはイメージ自体はしやすいかもしれません。物理的には身長180cmの人と150cmの人がみる景色、違いますよね?
たとえ視野が同じでも、海辺からみる景色、東京スカイツリーからみる景色、富士山からみる景色、どれも違いますよね。例に挙げたのはどれも物理的なイメージですが、言葉として使われる時はより抽象的なニュアンスが多いです。
つまり、高い視座で見るということは、高い位置で見るように大局をみる、ということです。それは時間的にも概念的にも。目の前のことだけを考えていたら、数日後や数年後のことを考慮にいれられません。長期的な計画を立てたりする場合によく使われますね。
また、「木を見て森を見ず」という言葉も、ある種、視座のことを示しています。このように、視座は時間や概念といった内容を長期的であったり大局的にみるために重要なものです。
おわりに。
以上、思考に関する側面から3つの言葉を説明してきました。だいぶイメージついたでしょうか?似た言葉でこんがらがってしまいますよね…。
しかし、どれも実は違っていて、そして大事であったり有用なものです。ビジネスでは特にこういった言葉の意味の違いを理解してコミュニケーションをとることを意識すると、とても有意義な対話になるでしょう。
視点・視野・視座 本質的なポイントこそ
そして、これらの違いを理解したら、最後に、もっとも大事なとこは「切り替える」ことです。
視点を、切り替える=違う角度、場所からみてみる
視野を、切り替える=違う広さでみてみる
視座を、切り替える=低いところ/高いところからみてみる
このように、それぞれを素早く切り替えることこそが、実はとてもとても大事なことです。どうか、視点・視野・視座の「切り替え」を意識してみてくださいね!それでは、また。